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耐震天井は必要か?費用相場やメリットについても解説

2023年02月24日

日本はとても地震の多い国です。
そのため地震にともなう災害の危険も想定できるので、建物の耐震補強をしっかりと施す必要があります。

建造物で耐震補強が大切な箇所は、特に内装の部分です。
耐震補強をすれば、地震が起きたときの天井落下・崩れを防止できます。
今回は、耐震天井の必要性や費用相場、主なメリットなどについて解説します。

自宅や職場の内部を耐震強化して、安全にしたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

耐震天井は必要か?費用相場やメリットについても解説

耐震天井の必要性について

地震による天井の落下は、建物の崩壊などの衝撃をもたらします。
建物の安全確保のために、耐震強化は必要不可欠です。
2011年の東日本大震災では、大きな建造物の天井落下が多く被害が甚大でした。
それを機に、天井の耐震対策が見直されるようになって現在に至ります。

大きな地震は、いつ起こるかわかりません。
地震による被害を未然に防ぐためにも、天井を軽くしたり補強したりして、安全対策につなげる必要があります。

耐震診断の費用相場

天井の耐震化をする際に行う診断費用は、一般的な木造住宅でおおむね20万円~50万円です(※)
店舗や大きな施設などの場合は、さらに資材は増えるので費用も高くなる可能性があります。

(※)参照:日本耐震協会 耐震診断料金(費用)の目安

費用に不安があれば、業者に問い合わせておおよその見積もりを尋ねてみてください。

天井の耐震性能を高める方法3選

耐震補強するためには、以下にある3つの方法が用いられます。

1. 専用のパーツを利用する(耐震強化向けのパーツを使用)
2. クリアランス(隙間)のスペースを作る
3. ブレースの設置

この章では、それぞれの耐震補強の方法について解説します。
リフォーム業者へ耐震補強の依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1.専用のパーツを利用する

天井の耐震補強工事では、まず吊りボルトといわれるパーツを使用し、支持材が揺れにくくなるよう強化します。
吊りボルトは、耐震クリップや耐震ブレースなどのパーツと併用される場合が多いのが特徴です。

しっかりと吊りボルトを強化すれば、落下の危険も減らせるため、安全性を高めるために設置は欠かせません。

2.クリアランスのスペースを作る

クリアランスとは、吊り天井と壁の間に設けられる隙間です。
地震で揺れたときに、天井と壁の衝突を防ぐために作られます。大きめの天井がある場所でよく確保されます。

クリアランスのスペースは、見切り材などで隠される場合が多いです。
地震によって家の内装が大きな被害を受けないためにも重要です。

3.ブレースの設置

吊りボルトと天井面が垂直になっていると、地震による横揺れでバランスが崩れて、落下の危険が高まってしまいます。
耐震ブレースを設置すれば、三角形を作り天井面とのバランス強化になります。
耐震ブレースと耐震クリップを同時に装着すると、耐震性能のさらなる向上が可能です。

耐震補強には、この2つのパーツが欠かせません。

特定天井とは「危害を生ずるおそれがある天井」

特定天井は脱落による危険をともないます。
建築基準法施行令第39条第3項で「脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井」と規定されています。

特定天井は人が立ち入る場所に設けられており、高さ6m・面積200㎡・天井面構成部の面積質量が2kg以上が基準です。(※)

自宅に特定天井があるなら、耐震リフォームを検討しましょう。

(※)参照:国土交通省 天井脱落対策に係る技術基準原案

天井の耐震補強のメリット3選

自宅や職場などにある天井の耐震補強は、地震への安全対策に最も有効です。
地震による落下や崩れを予防できて、建物を利用する方たちも安心できます。

耐震天井のメリットについて、この章で3つ紹介します。

1. 天井の破損や落下の危険は少ない

耐震天井は、パーツの補強やクリアランスの確保などによって、崩れや落下の防止が可能です。
一般の天井は吊り材のみですが、支持材補強をすれば崩れる危険は減ります。
耐震補強には、時間と費用がかかります。

事前に専門業者に問い合わせ、どのような耐震天井にすればよいのかを話し合っておく姿勢が必要です。

2. 安心して過ごせる住環境にできる

天井を耐震強化すれば、一般の建物よりも安全な住環境になります。
特に天井が古くなっている建造物は、経年劣化で崩れる危険が高いため、できるだけ早めにリフォームをした方が安全です。

耐震リフォームをするためには、まずは専門の業者に相談をして予算や建造物に合った依頼をしましょう。

3. 壁のリフォームを一緒にすれば安全性が高くなる

天井が丈夫でも、大きな横揺れがあると壁が崩れる危険があります。
壁が古い場合は、経年劣化によって崩れる危険がより高くなるので、早急なリフォームが必要です。

壁と天井の耐震化リフォームを同時に行えば、地震が起きたときの安全対策につながりやすくなります。
特に外壁を強化すれば、地震以外の災害対策も可能です。

一緒に行うと費用がかかるため、可能なら助成金・補助金制度を利用して依頼するのもよいでしょう。

まとめ

大規模な地震はいつ起こるか誰にもわかりません。
いつ地震が起きても身を守れるために、耐震補強はとても大切です。
天井が古いなら、リフォームを早めに施行する必要があります。

優良な施工業者に依頼して、天井に耐震補強を施せば建物を使う方々が安心できます。
耐震補強の施工工事にかかる費用を考えて、天井の安全を高めるために施工の依頼をしましょう。