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動力と電力の違いを解説!料金比較とメリットや注意点も紹介
2022年10月30日
店舗や事業所の設計や運営中に「動力」について聞いた経験はありませんか?
日常生活で使う言葉ではないので、初めて聞く方もいらっしゃるでしょう。
動力は主に工場や店舗などで使われる電気の方式で、大きな消費電力を必要とする機器で使われます。
実は、電気会社と結ぶ契約にはいくつかあります。
一般家庭での契約は「電力」です。
しかし、店舗や事業所であれば、「電力」とは別に「動力」のプランも選べます。
そうすると料金が安くなる場合があるのです。
そこで今回は、「電力」と「動力」の違いを説明します。
料金の比較とともにメリットや注意点についても紹介するので参考にしてください。
電力と動力の違いとは何?知っている方は得をする
電力会社との契約には、「電力」(電灯・従量電灯)と「動力」があります。
通常、一般の家庭は電力です。
電力と動力では電気の「パワー」が異なります。
パワーと一言でいってもイメージがつかないでしょう。
これらの違いに関して詳しく見てみましょう。
【電力】家庭で用いられる
「電力」とは、照明類や小型機器などを使うための「電気販売会社と結ぶ契約の種類」です。
ここでいう小型機器とは、主に住宅・店舗・事務所などにおいて単相で使用される照明以外の電気機器を指します。
簡単にいうと、照明と家庭用のコンセントから使える電気機器が「電力」です。
よく見かける2つ穴のコンセントが該当します。
しかし、エアコンなどには3つ穴のコンセントも用いられています。
電気供給は主に単相2線式か単相3線式です。
【動力】店舗や工場などで用いられる
「動力」は、店舗や工場などの大きな電力を使う場面で用いられます。
業務用エアコンや冷蔵庫を始めとする、大型の動力機器を動かす際に必要です。
大型の動力機器なので、「電力」と比べて供給電圧が高いのが特徴です。
「電力」の供給電圧は100Vで、「動力」は100Vと200Vがあります。
また、供給方法もより効率のよい「三相」と呼ばれる方法です。
単相で100Vの電気が送られる場合は「単相100V」、三相で200Vの場合は「三相200V」と呼びます。
電力・動力の契約内容や料金を比較しよう
それぞれの料金表を見てみましょう。
ここでは東京電力を例に解説します。
電力の料金
基本料金(従量電灯C 1kVAあたり) | 286円00線 |
電力量料金 (1kWhあたり) | |
第1段階 最初の120kWhまで | 19円88銭 |
第2段階 120kWhを超え300kWhまで | 26円48銭 |
第3段階 上記超過分 | 30円57線 |
従量電灯Cは6kVAからの契約です。
動力の料金
基本料金(契約電力 1kWあたり) | 1.065円90線 |
電力量料金 (1kWhあたり) | |
夏季(7月1日〜9月30日) | 17円37銭 |
夏季以外(10月1日〜翌年6月30日) | 15円80銭 |
このように「電力」は使用量に応じて3段階に分かれた料金が設定されています。
使用量が増えると、料金は一気に上がります。
それに対して、「動力」は段階がないため使用量は多いとお得になるでしょう。
動力はどのような特徴があるのか|基本料金は高めだが単価は安い
「動力」は、業務用機器などを扱う飲食店および工場などに最適です。
「電力」では、基本料金は安いものの、使用量が増えるほど割高になります。
一方、「動力」は基本料金自体は高くなってしまいますが、電気使用量あたりの単価が抑えられています。
そのため、電気使用量が多い場合は、「動力」に変更すれば電気代が安価になる可能性があるでしょう。
業務用エアコン・冷蔵庫・冷凍庫などを使っている方は、計算すると違いがわかります。
使われている業種とは|店舗・マンション・工場など
オフィスや工場などで、天井に埋め込まれているエアコンがあります。
このエアコンは多くの電気を使用するため「動力」が必要です。
また、飲食店では大きな冷蔵庫や、大きな炊飯器、特別な厨房機器などにも「動力」が必要です。
このほかにもマンションのエレベーターや工場の機器、大型の換気設備、給水・給湯・排水設備などにも「動力」が必要でしょう。
そのため、新たにお店を出す場合は、「動力」が必要かどうか確認しましょう。
メリットは電気料金が安価になりやすい点
「動力」は電気単価が割安になるので、電気をたくさん使用する場合は、料金が安価になります。
業務用のエアコンなどは、そもそもたくさんの電気が必要になるため、一般的に電気料金が高くなります。
使用量が多いと安価になる「動力」ならば、エアコンの使う季節でも費用を下げられるでしょう。
また、工場などに導入した場合には、電気効率のよい機器を使用できるので、作業時間が早くなります。
長い面で見ると、人件費削減にも繋がります。
注意点とは?季節によって料金が変わる
料金の比較の項目でもお話ししましたが、「動力」は夏季とそれ以外の時期では料金が異なります。
エアコンをフル稼働する夏の時期は、料金が高くなりやすいです。
特に節電意識を持つように心がけましょう。
また「動力」にする場合、お得になるのか必要なのかじっくり検討しましょう。
「動力」でないと機械が動かないのであれば検討の余地はありません。
しかし、「電力」だけでも済むのであれば、綿密に電気料金を計算する必要があります。
「動力」の方が安価で抑えられるのが一般的ですが、一度確認してみましょう。
まとめ
電気は日常生活には欠かせません。
オフィスや店舗など電気をたくさん使用する場合は、日々の電力使用量を計算して「動力」へ変更すれば基本料金を下げられる可能性があります。
また、同時に日頃の電気使用量や、節電方法など、この機会に電気の使い方を見直してはいかがでしょう。
電気代の削減をしたい方は、ぜひ一度電力使用量を計算してください。